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日本ハイパーサーミア学会 理事長 ご挨拶
理事長の4期目にあたっての挨拶

日本ハイパーサーミア学会
  理事長 大西 武雄
奈良県立医科大学医学部医学科生物学教室
(任期:2008年9月13日~2010年大会総会の日まで)
 

この度、日本ハイパーサーミア学会の理事長をさらに続けて拝命することとなりました。また、学会誌発行の総編集委員長としても続けさせていただきます。役員会・評議員会・総会において、学会員各位のご支援を受けてのことと思います。先の2008年4月にミュンヘン・ドイツで国際ハイパーサーミア腫瘍学会が盛大に開催されました。臨床面での大いなる成果が欧州、北米、日本から報告されました。温度測定、新たなる機器の開発原理も提唱され、物理、工学分野の大切さも指摘されました。生物分野では先進的な分子生物学的手法を用いた研究成果が発表されました。温熱と生物の関係について質の高い成果が発表され、熱い討論の機会を持つことができました。次の国際ハイパーサーミア腫瘍学会が4年後の2012年に日本で開催されることとなりました。現時点では小生が大会長、近藤隆先生(富山大学医学部)がGeneral secretaryとして予定されています。2010年には九州大学(博多)で前原喜彦先生を大会長としてアジアハイパーサーミア腫瘍学会第5回大会・日本ハイパーサーミア学会第27回大会合同大会が開催予定です 。アジアの中核として、世界でのリーダーとして日本が期待されております。このハイパーサーミア分野での世界的な研究が発展するよう、日々の探究心、向上心を持ち続けたいものです。本年5月に本学会としてはじめて「がん温熱療法ガイドブック」を刊行することができました。ハイパーサーミアの基礎・原理から臨床まで、さらにはこの治療を行っている全国の施設までを網羅した実にすばらしい著書です。勿論、学生への教科書、院生・研究者の手引きにもなります。ハイパーサーミアを受けたい患者の皆様には何よりもまして大いなる福音になることでしょう。

 最近のこの学問分野の傾向として、ハイパーサーミア療法がウイルスからの感染予防にも、たとえ感染していても治療にも有効である可能性が示されています。ストレスタンパク質(HSP;ヒートショックタンパク質)ががん治療における細胞の温熱抵抗性・耐性のみに関与しているのではなく、生体にとっての免疫機能回復や獲得に機能していることが示されています。当然、HSPがストレス応答分子であります。さらには、臓器の機能保全にもHSPが働いています。学会誌も“Thermal Medicine”と改名され、J-Stageにも掲載されました。学会の英文名も“Japanese Society for Thermal Medicine”に改名されました。今までのOncologyの枠を跳び越して、さらに広い分野での温熱医学へと発展させるべく、学会員の総意と解釈しております。学会の発展とともに、学会誌の分野の広さ、質の高さへの展開を理事長として、学会誌の総編集委員長として期待されていると自覚しております。しかし、真の学会の発展は学会員総力を挙げての活動の上に成り立つと思っております。学会員皆様の心からなるご支援と、ご協力を切にお願い致します。また、次世代の学会を担う若手をいかに育成していくかも、学会の大きな責務であります。このハイパーサーミアという学問は何と胸を熱くすることか、多くの患者さんにとっても朗報であり、生きていることの喜びに何と胸を熱くできることかをお互いに気づきたいものであります。

平成20年9月吉日

 


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